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澤田知子「狐の嫁いり」展 / Tokomo Sawada's Exhibition KITUNE NO YOMEIRI in TOKYO PHOTOGRAPHIC ART MUSEUM 2021

東京都写真美術館で開催されていた、澤田知子さんの「狐の嫁いり」展に行ってきました。
(3回目の緊急事態宣言の都の緊急事態措置としての臨時休館に伴い、4月25日から中止となっています。)

 

澤田知子「狐の嫁いり」展 / Tokomo Sawada's Exhibition KITUNE NO YOMEIRI in TOKYO PHOTOGRAPHIC ART MUSEUM 2021

以前から澤田さんの作品は各所で目にしたことがあり、その存在は知っていたのですが、作品を展覧会で拝見するのは初めて。

澤田知子「狐の嫁いり」展 / Tokomo Sawada's Exhibition KITUNE NO YOMEIRI in TOKYO PHOTOGRAPHIC ART MUSEUM 2021

ID400」という作品が有名で、どこかで見かけたことがある方も、いらっしゃるかも。この展覧会でもその作品の展示があり、澤田さんの作品のテーマでもある「外見と内面の関係」や、他作品の解説を知りながら作品を拝見すると、ただのポートレート作品とは違った見方ができました。
写ってる方は同じなのに、その容姿によって、個人的な先入観の影響もありながら、全然違う印象を持ってしまいますね。

澤田知子「狐の嫁いり」展 / Tokomo Sawada's Exhibition KITUNE NO YOMEIRI in TOKYO PHOTOGRAPHIC ART MUSEUM 2021

澤田知子「狐の嫁いり」展 / Tokomo Sawada's Exhibition KITUNE NO YOMEIRI in TOKYO PHOTOGRAPHIC ART MUSEUM 2021

アンディーウォーホルの作品を連想させるこの作品。ハインツ日本株式会社の協力の元に作った作品とのこと。言語の違うパッケージのものが並んでおり、知っている言語のものを見かけると、その地域・国などに思いを馳せますが、知らない言語の文字の形や雰囲気からある地域の連想を促しており、それは人の外見や雰囲気から。その人の国籍や地域を想像するのに近いのでは?という観点の作品。
ぼくらもヨーロッパ出身のように思える方を見かけた場合、国籍までを確実に判別するのは難しいことに似ている、と感じました。

澤田知子「狐の嫁いり」展 / Tokomo Sawada's Exhibition KITUNE NO YOMEIRI in TOKYO PHOTOGRAPHIC ART MUSEUM 2021

後ろ姿だけで、人はどれだけその人について想像するのか!?をテーマした作品。多種多様な髪型の女性の後ろ姿がたくさん並んでいますが、そこから受ける印象は全然異なるのでは!?と、ぼくは思います。

「ID400」は以前から知っていましたが、「外見と内面の関係」がテーマになっていることは、今回始めて知りました。久しぶりにあった友人の髪型や体型が変わっていたりすると、いろんな想像をしてしまいますし、ぼくもだれかにそのように思われているかと思います。ただ外見がいくら変わろうと、その人はその人のままなのですよね。内面が外見に与える影響もあるかもしれないし、逆に外見が内面に影響を与えることがあるかもしれないかも、とも思いました。

オラファー・エリアソン 「ときに川は橋となる」展 | 東京都現代美術館 / Olafur Eliasson | MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO 2020

緊急事態宣言が解除されたので、久しぶりに美術館、東京都現代美術館へ。

オラファー・エリアソン 「ときに川は橋となる」展 | 東京都現代美術館 / Olafur Eliasson | MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO 2020

2月ごろから気になっていたこの展示。(英語版公式サイト: Sometimes the river is the bridge – Studio Olafur Eliasson )
2006年ごろにオラファー・エリアソンの展示を原美術館で鑑賞しましたが、それ以来の来日の展示会かと思います。同じころにルイ・ヴィトンのショーウィンドウ・ディスプレイで「EYE SEE YOU」の名で作品を公開してたことも。オラファー・エリアソンは光をモチーフにした作品を制作しており、いつも神秘的な美しさの作品ばかり。今回も期待に胸を膨らまして、会場へ。

オラファー・エリアソン 「ときに川は橋となる」展 | 東京都現代美術館 / Olafur Eliasson | MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO 2020

緊急事態宣言の影響で、2020年 3月14日(土) 6月9日(火) ー 6月14日 9月27日(日)に変更になった模様。

オラファー・エリアソン 「ときに川は橋となる」展 | 東京都現代美術館 / Olafur Eliasson | MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO 2020

オラファー・エリアソン 「ときに川は橋となる」展 | あたなの移ろう氷河の形態学 | 東京都現代美術館 / Olafur Eliasson | Your passing glacial morphology | MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO 2020

会場に入ってすぐのところには、今までの展示では見られなかった水彩画も。グリーランドの氷河を紙の上で溶かし、顔料と混ざり合ってできた作品とのこと。人間の意志とは無関係に起こる自然現象が共同制作の相手として捉えた作品として。顔料にはなにか工夫がされているかもしれませんが、氷河が溶けた・溶かしたのみですが、こんなに綺麗な色彩で透き通った表現になるのですね。

オラファー・エリアソン 「ときに川は橋となる」展  | 太陽の中心への探査 | 東京都現代美術館 / Olafur Eliasson | The exploration of the centre of the sun | MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO 2020

その後すぐに光をモチーフにした作品が。「太陽の中心への探査」という名の作品。多面体のガラスの内側から光を放ち、その反射を展示室内に反射させているのですが、綺麗だった。

オラファー・エリアソン 「ときに川は橋となる」展  | 太陽の中心への探査 | 東京都現代美術館 / Olafur Eliasson | The exploration of the centre of the sun | MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO 2020

色彩も鮮やかで360°全体に光が溢れてた。

オラファー・エリアソン 「ときに川は橋となる」展 | あなたに今起きていること、起きたこと、これから起きること |東京都現代美術館 / Olafur Eliasson | Your happening, has happed, will happen | MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO 2020

「あなたに今起きていること、起きたこと、これから起きること」。背面に置かれた様々な色のライトによって、その前を通るとその人影が投影される作品。

これ楽しかった。自分の影以外にも他の鑑賞者の方たちの影響もあり、偶然性によるいろんな色での重なりや形状が。

オラファー・エリアソン 「ときに川は橋となる」展 | あなたに今起きていること、起きたこと、これから起きること |東京都現代美術館 / Olafur Eliasson | Your happening, has happed, will happen | MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO 2020

ライト・影との距離によってその大きさも変化。みんないろんなポーズを取りながら、楽しんでいました。

オラファー・エリアソン 「ときに川は橋となる」展 | 人間を超えたレゾネーター | 東京都現代美術館 / Olafur Eliasson | Beyond-human resonator | MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO 2020

「人間を超えたレゾネーター」。大きな円形のガラスに光を照らしたのみの作品。オラファー・エリアソンの特徴的な手法・作品ですね。

オラファー・エリアソン 「ときに川は橋となる」展 | 人間を超えたレゾネーター | 東京都現代美術館 / Olafur Eliasson | Beyond-human resonator | MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO 2020

同心円状の複数の円が浮かび上がっていますが、すべて光の反射のみのもの。色彩やその同心円の組み合わせによるものかもしれませんが、すごく不思議な体験をさせる作品でした。

オラファー・エリアソン 「ときに川は橋となる」展 | 人間を超えたレゾネーター | 東京都現代美術館 / Olafur Eliasson | Beyond-human resonator | MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO 2020

光の反射のみでここまで綺麗な円形を描けるのか、やはり不思議に思えましたが、よく見てみても他になにか仕掛けがあるようには見えず…。

オラファー・エリアソン 「ときに川は橋となる」展 | おそれてる? |東京都現代美術館 / Olafur Eliasson | Who is afraid? | MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO 2020

「おそれてる?」。天井から吊るされた円形のガラス板に光を照らし、透過や反射の光によりさまざまな色彩が発生する作品。

オラファー・エリアソン 「ときに川は橋となる」展 | 東京都現代美術館 / Olafur Eliasson | MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO 2020

補色の概念を感じられたり、色の重なりによって、ほんといろんな色が発生していてずっと見ていられる作品。以前ICCで見たライゾマティクスリサーチの展示でも、似たような表現・作品がありました。

今回の展示会名にもなっている「ときに川は橋となる」。これも綺麗だった。

オラファー・エリアソン 「ときに川は橋となる」展 | ときに川は橋となる | 東京都現代美術館 / Olafur Eliasson | Sometimes the river is the bridge |  MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO 2020

薄暗い会場の真ん中に円形の水面があり、そこに天井付近から複数のライトが照らされていて、その反射した光が再度天井に投影されている作品。水面が穏やかなときは綺麗な円形が投影されますが、不規則に水面に波が起こるようになっており、その波・揺れによって、反射している光がさまざなに変化するもの。

綺麗な円形で反射されいるだけでも綺麗ですが、水面の波による変化がまったく予測不可能な形状に変化していき、水面の反射のみとは思えない表情を作り上げていました。

オラファー・エリアソン 「ときに川は橋となる」展 | ビューティー | 東京都現代美術館 / Olafur Eliasson | Beauty | MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO 2020

最後はこの展示のポスターにもなっている「ビューティー」。薄暗い会場の天井から霧状の水を散布。そこに光を照らし、光の屈折による虹・色彩を感じるもの。鑑賞した際には、偶然にも子供連れの方たちがいらっしゃったのですが、ポスターのように子供たちはややはしゃぎ気味。

オラファー・エリアソン 「ときに川は橋となる」展 | 東京都現代美術館 / Olafur Eliasson | MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO 2020

光の屈折なので見る角度によって、見られるその色味や形状も変化し、とても静かな空間なので、作品に引き込まれます。

以前原美術館でその作品を見た際に強烈に印象に残り、強く記憶に残っていたオラファー・エリアソン。今回の展示も会場で見ることができ、また内容もやはり素晴らしかった!非常事態宣言の時期に被っていましたが、会期延長されてよかった!会場でみれてよかった!
光をモチーフにしている芸術家ではジェームズ・タレルもいますが、直島に作品は展示されていますが、都内近郊での展示会がなかなかないので、今後展示会が開催されるのも期待したいです。

 


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中野正貴写真展 「東京」 / Masataka Nakano's Exhibition TOKYO 2019 - 2020

東京都写真美術館で行われていた中野正貴 写真展「東京」に、1月上旬に行ってきました。

中野正貴写真展 「東京」 / Masataka Nakano's Exhibition TOKYO 2019 - 2020

写真集「TOKYO NOBODY」で有名な中野さん。2000年に発売されたその写真集はグラフィックデザインの専門学校に通っていた際に知り、普段人で溢れている東京のいろいろな都市で、だれも写っていない写真はとても不思議な風景で強く印象に残っていました。2000年頃に青山付近の小さなギャラリーで作品を展示していた際に鑑賞しましたが、今回のタイミングでは前回から時間も経ち、また規模を大きいので、すごく楽しみにしていました。

中野正貴写真展 「東京」 / Masataka Nakano's Exhibition TOKYO 2019 - 2020

90年代初頭のだれも写っていない渋谷公園通り。建て替え前のパルコはもちろん懐かしいですが、それ以外も現在とは全然異なる雰囲気。

中野正貴写真展 「東京」 / Masataka Nakano's Exhibition TOKYO 2019 - 2020

90年代初頭の渋谷駅東口。これもどこにも人影はなく…。駐停車している車もほとんどいないですよね。以前に読んだ記事には、TOKYO NOBODY での撮影は、元日の午前に行っていたと書いてあったと記憶しています。それにしても、ほんとだれも写さず撮影するの、すごいですよね。
撮影された時期では、東急東横線の渋谷駅は当然地下化されておらず、またヒカリエなども全然できる前の時期。富士銀行やオリエント、懐かしいですね。

中野正貴写真展 「東京」 / Masataka Nakano's Exhibition TOKYO 2019 - 2020

中野正貴写真展 「東京」 / Masataka Nakano's Exhibition TOKYO 2019 - 2020

意図しない意外な組み合わせにより、不思議な魅力を放ちがちな都市の裏路地。このシリーズでは90年代初頭の、渋谷宇田川交番裏付近が。台湾料理の「龍の髭」、懐かしいな。看板がとにかく印象的でした。

中野正貴写真展 「東京」 / Masataka Nakano's Exhibition TOKYO 2019 - 2020

会場内には、中野さんの他の作品の展示も。TOKYO NOBODY についての投稿ばかりにになってしまいましたが…。

中野正貴写真展 「東京」 / Masataka Nakano's Exhibition TOKYO 2019 - 2020

東京の魅力を独自の視点で表現している中野さん。今回 TOKYO NOBODY 以外の作品も見れて、とても充実した内容でした。展示作品はもちろん撮影OKでしたが、他シリーズの作品の記録を全然行っていなく…。中野さんの展示、また行われる際には、ぜひ伺いたいです!

mimon 1st Solo Exhibition 2019.5.10 _ 5.13 at SHIBUYA SOMO

3Dソフトを利用し作画を行っている、 mimon さんの個展に行ってきました。

mimon 1st Solo Exhibition 2019.5.10 _ 5.13 at SHIBUYA SOMO

Twitter のタイムラインでその存在を知った mimon さん。強い丸み帯びた作風がとても好みで、いつかはいっしょに仕事を!と勝手思っていましたが、作品を間近で見れる機会があったので、個展にお邪魔してきました。会場となっていた SHIBUYA SOMO さんも、渋谷区神山町の奥渋谷エリアの住宅街の中にあり、周辺はほのぼの雰囲気。展示の作品ととてもマッチしていました。また作品の展示がある際には、ぜひ足を運びたいと思います。

AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展

もう終了してしまいましたが、2018年10月14日まで開催されていた企画展「AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展」に行ってきました。

AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展

AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展

久しぶりの21_21 DESIGN SIGHT。打ちっぱなしのコンクリートがやはり美しいです。

AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展

AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展

この展示は展覧会ディレクターに中村勇吾さんが携わり、小山田圭吾さんの描き下ろした楽曲「AUDIO ARCHITECTURE」が持つ音色や音域・リズムなどを、9組のクリエイターが映像化し、空間と共に体感するというもの。

AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展

展示スペースに入ってすぐのスペースには、3面張りで大きなスクリーンスペース。

AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展

今回の楽曲「AUDIO ARCHITECTURE」の収録風景を、楽曲と共に映していました。

AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展

奥へ入ると、幅24mほどの大型スクリーンにそれぞれの映像作家さんの作品が。

AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展

会場内には鑑賞スペースもありますが、モニター前にあぐらをかく形での鑑賞もOKな前提でした。

AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展

楽曲は約5分ほどあるため、9組すべての作品を見るには時間がかかりますが、スクリーン裏側ではそれぞれの作品を1つずつ見れるスペースも。

AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展

AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展

9作品の中で個人的には、上記写真の大西景太さんの作品が1番ぐっときました。以前にネットで偶然出会った「Dynamics of the Subway」を知っていたんですが、「作風や展開が似ているなー」っと会場で思い、戻ってから調べたのですが、やはり大西さんの作品。リズムや音域に合わせて単純な矩形がそれぞれのマッチした形で変化し、楽曲と視覚面が一体化しているのが、今回の作品でも印象的でした。

AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展

AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展

AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展

久しぶりの21_21 DESIGN SIGHT で作品の鑑賞でしたが、中村勇吾さん・小山田圭吾さんなどの有力者が関わる展示だけあり、内容は濃かったです。空間構成も片山正通さんと豪華な方ばかり。大西さんの作品、他のものもチェックしたくなりました!

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